子どものひきつけ

  子供がひきつけを起こす原因は様々ですが、救急要請のほとんどは「熱性けいれん」です。
  「熱性けいれん」は、体温が38度を越す急激な上昇時に起こるけいれんですが、通常は1~3分で治まります。
  救急隊が小児のひきつけで出動した場合、ひたいに冷却剤を貼っている患者が多いですが、高熱の場合では、ひたいを冷やしただけでは冷却効果は得られません。

  高熱が出た場合の冷却処置としては、ケーキを買ったときにもらう冷却材などがあれば子供のわきに挟ませます。この時冷却材が直接皮膚に当たるのを防ぐためにタオルで巻いたり、靴下に入れたりします。水を入れ凍らしたペットボトルも使用可能です。

※冷却処置をする場合は、冷やしすぎに注意してください。

冷却材と靴下 靴下に入れた冷却材 凍らせたペットボトル
 
わきでの冷却処置 わきでの冷却処置  



もし、けいれんが起こったときには…

  救急隊が到着したとき、すでにけいれんが治まっているのに家族があわてているこが多くあります。
  けいれんが起こると顔色が悪くなり気が動転してしまいますが、熱性けいれんは予後が良いといわれていますので、落ち着いてけいれんの起こった時間、治まった時間を確認しておくことが大切です。

  数年前までは、『舌を噛まないように口の中に割り箸などを入れる』という処置方法を耳にしたことがあると思いますが、実際に舌を噛むことはありませんので、口の中には何も入れないでください
  けいれん中は口をかたく閉じていることが多いので、無理に口の中に物を入れると、気道を閉じてしまう恐れがあります。(子供がけいれいを起こした際、母親が子供の口の中に指を入れ、噛み切られたという救急事案も過去にあります。)
  嘔吐が起こった場合は、嘔吐による窒息が起こらないように気を付けます。(口から薬や飲み物を与えない。)
  けいれんが起こった後は、子供も状況が把握できず、不安になることがよくありますので、声をかけて落ち着かせることも大切です。

※ 心配な場合は、掛かりつけの病院や北播磨小児救急医療相談センターなどに相談し、必要であれば救急車を要請してください。また、初めてのけいれんや長時間続くけいれんの場合には、すぐに救急車を要請してください。