台風に備える
台風のはなし
熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋で発達して、中心付近の最大風速がおよそ17m/s以上のものを日本では「台風」と呼びます。
台風は上空の風に流されて動き、地球の自転により北上する性質があります。低緯度では太平洋高気圧から吹き出す風により、西へ流されながら次第に北上しますが、上空に偏西風が吹いている中・高緯度に来ると、台風は北東へ急速に進路を変え、速度が速まります。
台風は上空から見て反時計回りに強い風が吹き込んでいます。進路の右側では、台風自身の風と台風を流している風が同じ方向になるので風が強くなります。逆に左側では右側よりもいくぶん風が弱くなります。
「台風の眼」の周辺では、発達した積乱雲が取り巻いていて壁のようになっています。そこでは猛烈な暴風雨となります。この積乱雲の壁のすぐ外は濃密な積乱雲で、激しい雨が連続的に降ります。
さらに外側の200~600kmのところには帯状の降雨帯があって、連続的に激しいにわか雨が降ったり,ときには竜巻が発生することもあります。また,暖かい湿った空気が台風に向かって南の海上から流れ込むことから、日本付近に前線が停滞していると、その湿った空気が前線の活動を活発化させ,大雨となることがあります。
台風が近づくまでに準備しましょう
屋根
- 瓦のヒビやズレ、はがれなどがないか
- トタンがめくれたり、はがれたりしていない
- 雨どいがつまったり、はずれたりしていないか
壁・窓
- モルタル壁に亀裂はないか
- 剥がれかけた壁板はないか
- ガラスのひび割れ、窓枠のガタつきはないか
- 強風による飛来物に備えて、雨戸を閉める、窓の外に板をあてるなどの処置を
屋外・ベランダ
- 鉢植えや物干し竿など風で飛びそうなものは屋内へ
- 自宅の排水路を掃除しておく
屋内では
- 停電に備えて懐中電灯やラジオの準備を
- 避難に備えて貴重品などの非常持出品の準備を
- 台風情報に注意しましょう
- むやみに外出しない
- 浸水の恐れのある地域では、家財道具などを高所へ
- 乳幼児や身体の不自由な人は早めに安全な場所へ
いざ、避難というときは
避難所は地域こどに決められています。あなたの住んでいる地域の避難所がどこなのか、普段から確認しておきましょう。
はき物
- 裸足は足を怪我するので危険です。長靴も水が入って歩きにくくなります。
- ひもでしめられる運動靴がよい。
足元に注意
- マンホールの蓋がはずれている、道路と排水溝の境界がわからないなど、浸水した道路は思っている以上に危険です。長い棒などを使って安全を確認しながら歩くこと。
■歩ける深さ
- 歩ける深さは、男性で約70㎝、女性で約50㎝です。
- 水深が腰まであるようなら無理をせず、高所で救援を待ちましょう。
子供やお年寄りを安全に
- お年寄りや身体の不自由な人は背負う。
- 乳幼児は浮き袋やベビーバスなどを利用して安全確保を
自動車は
- ディーゼル車でもマフラー(排気口)が水没するとエンジンが停止します。
- ガソリン車ではもっと浅い水深であっても、飛散した水が電気系統にかかると停止することがあります。水深の深いところへの無理な進入は厳禁です。