住宅防火のポイント
私たちの国では、毎年火災によって多くの尊い命が奪われています。
建物火災は毎年3万件以上発生しており、中でも住宅火災による死者は、建物火災における死者の9割近くを占めています。
火災は、ちょっとした気のゆるみや不注意から発生するものであり、決して他人事ではありません。住宅火災に多い原因と対策をまとめてみました。
寝タバコ
■原因
- 寝タバコをして、タバコの火種が布団に落ちた。
- 灰皿にたまった吸殻が燃え、熱をもったガラス製の灰皿が割れて火がついた。
- 吸殻をゴミ箱にそのまま捨てたら火がついた。
- 何気なく置いた火のついたタバコを忘れていて火事になった。
■対策
- 寝タバコは絶対にしないこと。
- 布団に火種が落ちた時は、綿の中に火が入るとなかなか消えないので、布団全体を水に浸して消火します。また、再び燃え出すこともあるため、屋外に出しましょう。
- 灰皿に吸殻をためないように。灰皿には水を入れておくと良いです。また、寝タバコに限らず、タバコの吸殻は、必ず灰皿に捨てる習慣をつけることが大切です。
ストーブ
■原因
- 周囲の洗濯物に火がついた。
- 近くのカーテンや建具、家具に火がついた。
- ヘアスプレー等をストーブの近くに置いたら破裂した。
- 給油していてこぼれた灯油に火がついた。
- 灯油とガソリンを間違って給油、数分後に出火した。
■対策
- ストーブの周囲に燃えやすいものやスプレー缶などを置かないこと。また、ストーブの上に洗濯物を干してはいけません。
- ストーブをカーテンや家具に近づけないこと。輻射熱で燃えることがあります。
- 給油は必ずストーブの火を消してから行います。火をつけたまま給油するのは大変危険です。
- 石油タンクのキャップは閉まっているか必ず確認します。また、点火時には灯油がこぼれていないかチェックしましょう。
- 部屋を離れるときは、必ずストーブの火を消すようにしましょう。
ガスコンロ
■原因
- 煮物をしていたら水分がとんで、中身がこげて燃え出した。
- 揚げ物をしている時にこんろのそばを離れたら油に火がついた。
- 壁に近すぎて、壁が蓄熱して燃え出した。
- 上に干していたふきんが落ちて燃えた。
- 袖の長い衣類で調理していたら袖に火がついた。
■対策
- 調理中に台所を離れるときは、必ず火を消してください。
- コンロは壁から離しておきます。輻射熱で壁材が炭化して火が入ることがあります。
- コンロのまわりはいつも整理整頓しておきましょう。
- コンロに近づきすぎると、衣類に火がつくことがあるので、気をつけてください。
マッチ・ライター
■原因
- 子供がライターで火遊びをしていて家具や布団などに火がついた。
- マッチやライターを照明がわりに使うなど、本来の目的以外で使って火がついた。
- ローソクの芯に火をつけるため、別の物に火をつけたために火事になった。
- 家の周囲に置いていた物にマッチやライターで火をつけられた。
■対策
- 普段から子供に火の恐ろしさを教えましょう。
- 取り扱いには気をつけましょう。また、マッチやライターは放置せずに、子供の手の届かないところにしまいましょう。
- 幼児だけを置いて外出しないこと。
- 放火防止のため、家の周囲に燃えやすい物を置かないようにしましょう。
灯明・線香
■原因
- 灯明や線香が倒れて家具に火がついた。
- 照明がわりに使っていたローソクが倒れて、家具に火がついた。
- アロマテラピー用のローソクをつけたまま寝てしまい、容器が倒れて周囲の物に火が・ついた。
- ちょうちんの中のローソクに火をつけたまま外出し、ちょうちんに火がついた。
■対策
- ろうそく立ては、ろうそくの大きさにあったものを使いましょう。
- ろうそく立てを燃えやすいもののそばに置かないようにしましょう。また、ろうそくや線香などに火をつけている時はその場を離れないこと。
- アロマテラピー用のろうそくは、不燃性で熱の伝わりにくい台の上に置きましょう。
電気器具・コンセント
■原因
- コードが家具の下敷きになっていて、そこが加熱し火がついた。
- プラグの周辺のほこりなどが原因で火がついた。
- たこ足配線をしていたプラグやコードが発熱し、火がついた。
- コタツの中で乾かしていた洗濯物に火がついた。
- 乾燥機の中に油の染み込んだ服を入れて乾燥させたら火がついた。
■対策
- 電気器具は使用上の注意をよく読んでから使いましょう。
- 電気コードをカーペットや家具などの下敷きにしないこと。また、たこ足配線はしないこと。
- コンセント周りにほこりがたまると、トラッキング現象の原因になります。こまめに掃除をしておきましょう。
- 使わない器具はコンセントから抜く習慣をつけましょう。
- 電気器具が接続されているコンセント、プラグ、コード等の表面を手で触って熱いときは、プラグをコンセントから抜き、電気屋さんに点検を依頼します。