地震対策

 阪神・淡路大震災では、家具が転倒したり落下して家具の下敷きになったり、窓ガラスが割れてケガをするなどの被害が多く発生しました。
 家具の転倒、落下により、ケガをするだけでなく、倒れた家具により、部屋の出入り口や廊下がふさがれ、避難することが困難になります。日ごろから家具の固定をしたり、配置を考えて地震に備えましょう。

家具類の固定

転倒するおそれのあるもの

 タンス、食器棚、書棚、冷蔵庫、テレビなど転倒や収容物の落下のおそれがあるものは、固定具などを使って固定します。また、重いものは下に、軽いものは上に収納するのがポイントです。
 家具の配置はよく考えて、家具の前で就寝しなくてもよいようにしましょう。

開き戸のある家具

 食器棚などの開き戸や引き戸のある家具には、開放防止金具を取り付けると収容物の落下防止になります。

窓ガラス

 夜はカーテンを引いて寝るようにしましょう。カーテンがガラスの飛散を防いでくれます。ガラス面には飛散防止フィルムをはるとより安全です。

照明器具

 つり下け式の照明器具は、チェーンと金具を使って数箇所止めましょう。 

暖房器具

 ストーブは耐震自動消火装置付きのものを使用しましょう。
 普段から周囲に燃えやすい物を置かないようにしましょう。

非常持ち出し品

 いざというときは、すぐに避難しなければなりません。避難に備えて非常持ち出し品を常備しておきましょう。同じ種類のものなら、軽くてコンパクトなものを選んでおくと、避難のときの負担が減ります。また、最小限の必需品のみにして欲張りすぎないことです。

 重さの目安は男性で15kg、女性で10kg程度。リュックサックなどにまとめておくと、背負いやすく両手が使えるので、避難するときに負担が少なく、より安全です。

■ポイント

・避難のときの負担が増えないよう、重すぎる場合は、飲料水などの一部を家に保管するなどして減らす。
・重い缶詰よりも、比較的軽い乾燥食品などを用意する。
・できればひとりに1つのリュックを用意し、各自が持ち出しやすい場所に保管する。玄関先や車のトランクなどにも分散しておく。
 
   
■リュックサック
 非常持ち出し品を入れておきます。
 両手が使えると避難時の負担が少なく、より安全です。
  ■非常食・医薬品
 乾パンや缶詰、アルファ米など火を通さなくても食べられるも
のが便利です。医薬品は、消毒薬、風邪薬、胃腸薬、包帯など。持病のある方は処方されている薬も忘れずに。
  ■携帯ラジオ
正確な災害情報を得るために必要です。予備電池を忘れずに。
 
   
■懐中電灯
 ひとりに1つあれば理想的です。予備電池は多めに用意しておきましょう。
  ■その他
 衣服、下着、毛布、タオル、生理用品、ライター、缶切、ティッシュ、軍手など
  ■赤ちゃんがいる場合
 粉ミルク、哺乳ビン、紙おむつなど

災害時要援護者対策

 お年寄りや体の不自由な方、子供、外国人などの要援護者は、自力で避難することが困難です。過去の災害でも、逃げ遅れた人たちの多くが災害時要援護者とその家族でした。このような問題に対しては、地域が一体となって協力・支援体制を整えていく必要があります。誰もが安心して生活できるために、地域の人々の協力をお願いします。


高齢者や病人
 複数の人で対応しましょう。急を要するときはひもなどを使って背負い、安全な場所へ避難します。

目の不自由な人
 まず、「お手伝いしましょうか」などと声をかけましょう。話しかける相手の声が頼りですから、はっきりゆっくりと話しましょう。誘導するときは、杖を持っていないほうのヒジのあたりを軽くふれるか、腕をかして半歩前くらいをゆっくり歩きましょう。

肢体の不自由な人
 それぞれの人に適した誘導方法を確認しましょう。車椅子の場合は、階段では必ず3人以上で協力して、恐怖感を与えないように配慮しましょう。

耳の不自由な人
 話すときは近くまで寄って、相手にまっすぐ顔を向け、口を大きくはっきり動かしましょう。聞こえないときは、紙とペンで筆談します。紙とペンがないときは、相手の手のひらに字を書いて筆談します。