心肺蘇生法・AEDの操作方法について
心肺蘇生法・AED操作方法
いざという時に備えて、心肺蘇生法とAEDの操作方法を覚えておきましょう。
応急手当の重要性
右の図は、心臓が止まってから救急隊による電気ショックまでの時間と救命の可能性を表したものです。 実際、市民により倒れるところを目撃された突然の心停止について、市民が心肺蘇生法を実施しなかった場合の1か月後の社会復帰率4.4%に比べ、実施した場合は12.3%と約3倍となります。また、救急隊が電気ショックを実施した場合の1か月後の社会復帰率は20.9%に対し、市民が救急隊到着までに電気ショックを行った場合は46.0%となります。 |
心肺蘇生法(JRCガイドライン2020準拠)
通信指令員による口頭指導
通信指令員は、あなたや応援に来てくれた人が行うべきことを指導してくれます。
「胸骨圧迫ができますか」と尋ねられるので自信がなければ指導を求め、落ち着いてそれに従ってください。
その際、両手を自由に使える状態にすれば、指導を受けながら胸骨圧迫を行うことができるので、スピーカー機能などを活用しましょう。
大声で叫んでも誰も来ない場合は、まず、あなた自身で119番通報をしてください。そして、すぐ近くにAEDがあることがわかっていれば、AEDを取りに行ってください。わからなければ、通信指令員の指導に従ってください。
胸骨圧迫
圧迫の部位
胸の左右の真ん中に「胸骨」と呼ばれる縦長の平らな骨があります。圧迫するのはこの骨の下半分です。 この場所を探すには、胸の真ん中(左右の真ん中かつ上下の真ん中)を目安にします。 |
圧迫の方法
胸骨の下半分に一方の手のひらの付け根を当て、その手の上にもう一方の手を重ねておきます。重ねた手を組むとよいでしょう。 圧迫の手のひら全体で行うのではなく、手のひらの付け根だけに力が加わるようにしましょう。 垂直に体重が加わるよう両肘をまっすぐに伸ばし、圧迫部位の真上に肩がくるような姿勢をとります。 |
圧迫の深さとテンポ
傷病者の胸が約5㎝沈み込むように強く、速く、絶え間なく圧迫します。圧迫の強さが足りないと十分な効果が得られないので、しっかり圧迫することが重要です。 圧迫のテンポは1分間に100~120回です。 胸骨圧迫は可能な限り中断せずに行います。 |
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人工呼吸
窒息や溺水による心停止、小児の心停止や救急隊が到着するまでに時間がかかる場合などでは、胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生を行うことが強く望まれます。
気道確保
片手で傷病者の額を押さえながら、もう一方の手の指先を傷病者のあごの先端、骨のある硬い部分に当てて押し上げます。 |
人工呼吸
気道確保したまま、額を押さえている方の手で傷病者の鼻をつまみ、自分の口を大きく開いて傷病者の口を覆って密着させ、息を吹き込みます。 傷病者の胸が上がるのを見てわかる程度の量を約1秒掛けて吹き込みます。 これを2回行います。 |
※うまく胸が上がらない場合は、胸骨圧迫を行ってください。
※人工呼吸の実施をためらう場合は、胸骨圧迫を継続してください。
AEDについて
AEDとは
突然の心停止は、心臓が細かくふるえる「心室細動」になることが多く、この場合、心臓の動きを戻すには電気ショックによる「除細動」が必要となります。心停止から電気ショック実施までにかかる時間が、傷病者の生死を決定するもっとも重要な因子です。
AEDは自動的に心電図を解析して電気ショックが必要かどうかを決定し、音声メッセージなどで指示するので、それに従えば操作は難しくありません。AEDは訓練を受けていない市民でも使うことができますが、講習で心肺蘇生とともに使用方法を身につけておくことが望まれます。
北はりま消防組合管内のAED設置情報は、こちらをご覧ください。
AEDの操作方法
心肺蘇生を行っている途中でAEDが届いたら、すぐにAEDを使う準備に移ります。
AEDを傷病者の頭の近くに置くと操作しやすくなります。
電源を入れる
機種によっては、ボタンを押して電源を入れるタイプとふたを開けると自動的に電源が入るタイプがあります。 電源を入れたら、以降は音声メッセージなどに従って操作します。 行うべきことを文字や画像のメッセージでも表示される機種があります。 |
電極パッドを貼り付ける
傷病者の胸をはだけます。 電極パッドを取り出し、電極パッドや袋に描かれているイラストに従って、まず片方の電極パッドを保護シートから剥がして肌に直接貼り付け、次にもう一方も同様の手順で貼り付けます。 機種によっては、ケーブルの差込みプラグをAED本体の差込み口に挿入する必要があります。 小学校に上がる前の子ども(乳児や幼児)には、未就学児用パッドや未就学児モードを使用します。 未就学児用パッドがなければ、小学生用~大人用の電極パッドを使用してください。 |
女性に配慮したAEDの使い方は、こちらをご覧ください。
心電図の解析
電極パッドを肌にしっかりと貼り付けると、AEDが自動的に感知して、「体から離れてください」などの音声メッセージとともに、心電図の解析を始めます。 周囲の人にも傷病者から離れるよう伝え、誰も傷病者に触れていないことを確認してください。 |
電気ショックと心肺蘇生の再開
電気ショックが必要な場合「ショックが必要です」などの音声メッセージとともに自動的に充電を開始します。 充電が完了すると、連続音やショックボタンの点灯とともに「ショックボタンを押してください」などの電気ショックを促す音声メッセージが流れるので、ショックボタンを押して電気ショックを行います。 |
電気ショックのあとは、ただちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開します。「ただちに胸骨圧迫を開始してください」などの音声メッセージが流れるので、これに従ってください。
オートショックAED・・・電気ショックが必要な場合に、ショックボタンを押さなくても自動的に電気が流れるAEDです。傷病者から離れるように音声メッセージが流れ、カウントダウンまたはブザーの後に自動的に電気ショックが行われます。 |
大切なことは、目の前に倒れている人を救うために「自分ができることを行う」ことです。
緊急の事態に遭遇したときに適切な応急手当ができるように、日頃から応急手当を学び、身につけておきましょう。
北はりま消防組合では、定期的に救命講習会を開催していますので、是非ご参加ください。
救命講習会のご案内は、こちらをご覧ください。