身近な道具で行う止血と被覆の方法

1 ネクタイを用いた直接圧迫止血法

 止血とは、出血している血を止めることで、基本は直接傷口を圧迫することが大切です。救急現場では、三角巾という三角形の大きな布を使用しますが、ここでは身近にあるネクタイ、ハンカチとガムテープを使用した止血方法を紹介します。

① 左の図のような出血が続く切り傷などに止血を行い、出血が続くのを防ぎます。
② 清潔なハンカチを傷口に当てます。
③ ハンカチの上からネクタイの太い端から強く巻いていきます。
(緩ければ止血効果がありません。)
④ ネクタイの細い端にガムテープを張り、緩まないように貼り付けます。
⑤ 止血完了です。職員もこんな方法で止血効果があるのか不安でしたが、実際に体験してみるとしっかり圧迫されており、三角巾と同等の止血効果がありました。
⑥ 頭部(ひたい)からの出血も腕の止血と同様に、傷口に清潔なハンカチを当て、ネクタイの太い端からはちまきのように巻いていきます。
⑦ 頭部への処置では、目や耳が隠れてしまわないようにすることが大切です。

2 バンダナを用いた被覆法

 被覆とは、傷口の保護と細菌の進入を防ぐ感染防止のため、傷口を直接覆うことです。救急現場では、止血と同様に三角巾やガーゼ等を使用しますが、ここでは身近にあるランチョンマットやバンダナを使用し、頭部をすりむいた時などに行う被覆方法を紹介します。

① 正方形のバンダナなどを三角形に折ります。(大きめのバンダナなどであれば三角巾の代用として使用できます。)
② 三角に折ったバンダナの底辺を3センチくらい外側に折り、頭部全体を包み込むようにかぶせ、底辺側を額から両耳の上を通し、頭の後ろまで持ってきます。

③ 頭の後ろまで持ってきた底辺側の両端を、後頭部のくぼみで交差させながら1周させ、額の中央で結びます。
④ 後ろに出ている端末部分を、折り入れて完成です。

※ 負傷者の血液により救助者への血液感染を防止するため、救助者側の防御も大切です。本来ビニール手袋やプラスチック手袋を必要としますが、説明のため着用していません。